教えてイオリ先生! みんなの相談室
カラートリートメントを長持ちさせる方法
白髪用のカラートリートメントを使っていますが色持ちが良くありません。
もともと色持ちは良くないものだとは思いますが、長持ちさせる方法などはありませんか?
ゆーこさん 39歳
今回は、カラートリートメントに関するお悩みです。 イオリ先生、カラートリートメントの色持ちを良くする方法をお知りになりたいようなんですが。 |
うーん、はっきり言えば、一番いいのは「髪を洗わないこと」になるんだけれど。 |
え?それはちょっと… |
なのよね。 カラートリートメントは、いわゆる白髪染めと違って、染料が奥まで入り込んで染色している訳ではないから、少しずつ色落ちしてしまうのは避けられないの。 |
簡単にいうと、白髪染めはメラニン色素を破壊して、その代わりとして酸化染料がメラニン色素の役割を果たすから、色落ちは最低限に抑えられるの。 何か月たっても、完全に元の色に戻ることはないはずよ。 でも、カラートリートメントの場合はメラニン色素はそのままで、キューティクルの表面と内部に染料がくっついている感じなの。 |
くっついているだけということは、何かの拍子に剥がれることがあるということですね? |
そう、だからシャンプーごとに少しずつ色が落ちるの。 表面についている染料を「塩基性染料」といって、分子が大きくてプラスイオンが構造内にあるの。 それが髪の毛のマイナスイオンと結合して、色が定着するんだけれど、イオンでつながっているだけだから落ちやすいのね。 |
あと、中に入り込む染料を「HC染料」というんだけれど、分子が小さくてキューティクルの隙間から浸透するから髪を傷めにくいんだけれど、分子が小さい分キューティクルの隙間から逃げることもできてしまうの。 しかも、キューティクルは温まったり水分を吸ったりすると開くという性質があるから、シャンプーするとHC染料がさらに逃げやすくなるのね。 |
ああ、それで「髪を洗わない」のが一番色持ちをよくする方法なんですね。 でも、現実的にはそれは無理ですよね。。 |
そうね、そこで次善の策として、「湯シャン」をしている人が結構いるようよ。 「湯シャン」はその名の通り、お湯だけで髪を洗うこと。 シャンプーの洗浄力がないから、多少は色落ちが少なくなって、長持ちするの。 ただ、キューティクルが開くことは避けられないから、それほど大きな違いはないけれど。 |
湯シャンっていうと、以前に「湯シャンの有効性について」の相談で教えていただいたやつですね! でも冬はともかく夏の湯シャンはきつそうだな。。 ほかに方法とか気をつける点はないんでしょうか。 |
髪の毛の性質を利用する方法があるわ。 キューティクルは40℃前後で開くといわれているので、それ以下の水温にすること。 冬はちょっと温度が低いと感じるかもしれないので、よく温まってからするといいわ。 |
それと、シャンプー剤を使用する時は、アミノ酸系か、カラーリング専用シャンプーだと洗浄力が強すぎないから染料が落ちにくいの。 あと、シャンプー後はできるだけしっかりタオルドライして、それからドライヤーをかけること。 忘れてはいけないのが、ドライヤーの最後は冷風をかけること。 キューティクルがしっかり締まるから色落ちしにくくなるし、寝ている時に寝具などに色が移ることを防げるのよ。 |
なるほど、最後の冷風がポイントですね。 でもイオリ先生、染めた後じゃなくて、染める時の方法で色落ちしにくくするやり方ってないんですか? |
良いところに気づいたわね。 ヘアカラートリートメントは、染め方一つで色持ちも違ってくるの。 うまく染められれば一般の白髪染めとほとんど変わらないくらいしっかり色が入るし、その分色の持ちも良くなるの。 |
コツは、これもキューティクルの特性を生かすこと。 HC染料ができるだけしっかりキューティクルの中に浸透できるように、キューティクルを開いてあげるといいの。 それには、シャンプー時と逆に40度以上にしてあげること。 だから、乾燥した髪に塗った後にラップやシャワーキャップで髪を覆うだけではなくて、さらにドライヤーをかけて髪を暖め、厚いバスタオルや蒸しタオルなどで覆ってあげるといいのよ。 カラーリング用の保温キャップもあるから、それを利用すると中のアルミ層の反射で頭部が温まるからお勧めよ。 冬は室温にも気をつけて、できるだけ身体も暖めるようにしてね。 |
後は、ヘアカラートリートメントの使用量かしら。 説明書にはよく「ゴルフ玉2個分」とか書かれているけれど、その量でムラなくすべての髪を染めるのは難しいわね。 特に最初のうちは髪が見えなくなるくらいたっぷり塗って、保温をしっかりすること。 特に後ろの髪も根元までしっかり染めたいのであれば、白髪染めをする時と同様、髪を細かくパーツに分けてブラシで丁寧に根元を塗ること。 髪の表面に塗って、それをブラシやコームで梳いただけで奥までしっかり染めるというのは難しいわね。 |
なるほど。キューティクルを開いて染料が入りやすくしてあげるんですね! ちなみに髪は濡れている時ではなくて、乾いている時のほうがいいんですか? |
多くのヘアカラートリートメントの説明には、「しっかり染めるには」ということで乾いた髪に使用することを勧めているから、そう記載されている商品はそちらのほうがいいでしょうね。 |
でもそれが書かれていない商品の場合は、シャンプー後に使用しましょう。 その際は、シャンプー後のタオルドライをしっかりすることがとても大切よ。 水分が髪表面についているとそれが膜となって、染料が浸透しにくくなるの。 タオルドライ後に塗って、やはりシャワーキャップや保温キャップをして10分程度放置しましょう。 その後、ぬるめのお湯で洗い流すとキューティクルが閉じるから、染料がしっかりキープされるの。 |
どちらがいいというのは髪質や状態にもよるから、両方やってみるといいわ。 入浴中のほうがキューティクルがより開きやすくなるから、短時間でよく染まるという人もいるしね。 両方試せるように、どちらの使い方もOKという製品がいいわね。 利尻ヘアカラートリートメントとか、ルプルプ、レフィーネヘッドスパがこのタイプよ。 |
それと、シャンプー後に使用する場合は、シリコン入りなどは避けることね。 髪をコーティングしてしまうので、染料がうまく髪につかなくなってしまうから。 特に高級アルコール系シャンプーは、洗浄力が強すぎて髪がギシギシになるから、それを防ぐために必ずコーティング剤が入っているので気をつけてね。 |
こういったちょっとした手間が、染め上がりや色持ちを良くするんですね。 |
そう、でもヘアカラートリートメントは色落ちするもの、長持ちしないもの、と考え方を変えて取り組むのがいいでしょうね。 色落ちせず長持ちするものは、髪にも頭皮にもよくない成分ばかりだから。 入浴時に週1~2回、こまめに染めることで色をキープできるし、トリートメント効果で髪のケアもできるメリットに目を向けて行きましょう。 |
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あのー、イオリ先生、相談させてもらってもいいですか? |
なによ、あらたまっちゃって。 言ってごらんなさい。 |
僕の母親はもうすぐ50歳になるんですが、最近、髪のボリュームが減ってきたり、コシやハリが無くなってきたりしてるみたいで、だいぶ悩んでいるようなんです。 なにか良いケア用品はありませんか? |
トリートメントやヘアパック、ドライヤーとかいろいろあるわよ。でも、その前に・・・ |
その前に・・・? |
多くの人が傷んだ髪を修復することに力を入れてるけど、 それって実はナンセンスなのよね。 |
え、あまり意味がないってことですか? |
そうね。傷んだ髪のケアは髪がそれ以上ダメージを受けるのを引き延ばしてくれるけど、あくまでも延命措置だけなので、受けたダメージは修復できないのよね。 |
だから「どうやってダメージを与えないか」を実践した方が、「傷めたあとの補修」よりだんぜん楽なの。 シアンのお母さん、白髪染めとかしてる? |
あ、はい。そういえば月に2~3回くらいかな。 泡タイプの白髪染めが常時ストックされています。 |
原因のひとつはそれのようね。 シアンも美容師の見習いならちゃんと勉強しておきなさいよ。 |
はい。。。 |
薬剤式の白髪染めは黒い髪も一度脱色してから着色するから、白髪だけじゃなくて健康な毛髪もダメージを受けることになるの。 |
えっ! 白髪を黒くするために、わざわざ黒い髪もいったん白くするってことですか? そんなことして髪は大丈夫なんでしょうか? |
大丈夫なわけないじゃない!僅か数パーセントの白髪を染めるために、健康な黒髪が色素を抜かれてから人工的な色を入れられるなんて、髪にとっては瀕死の重傷ものよ。 |
元気な髪からしたら、とんだ迷惑ですよね。。 |
そうね。さらにやっかいなのは、それだけの破壊力を持った薬剤が頭皮についてしまうことなのよね。 髪を育てている頭皮がダメージを受けてしまうとどうなると思う? |
えっと・・・、新しく生えてくる髪も弱ってしまう? |
そう。そのダメージの蓄積で、髪に充分な栄養が届けられないから足腰の弱い髪になってしまっている可能性はありそうね。
|
でも、「白髪を染めるな」なんて言うと、落ち込むだろうなー・・・・ |
大丈夫。数年前から髪を染めずに「着色」するタイプの白髪染めが出てるのよ。このタイプは髪の表面にナノ化された色素をコーティングするだけだから髪や頭皮を傷めることなくカラーリングが出来るのよ。 |
スゴイ!進化してるんですね。でもそんな良いものだったらなぜみんなそっちを使わないんですか? |
ひとつデメリットがあるの。薬剤式と違って染まりにくいし色が落ちやすいのが難点なのよね。 でも最近ではそのデメリットも解消されていて色持ちが良く染まりやすい商品もたくさん出てきているわよ。 |
へー。それいいですね。髪や頭皮も傷めずに、楽に染められるなんて救世主のようですね。 |
そうね。でも色持ちなどはとても絶妙なバランスで成り立っているからメーカーの開発力によってバラツキがあるのよね。 |
イオリ先生のおすすめの商品はあるんですか? |
ありがとうございます!さっそく母にプレゼントしてみます! |
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