教えてイオリ先生! みんなの相談室
ヘアケアをどんなに頑張ってもパサパサで泣きそうです
自分で言うのもなんですが、20代の頃までは艶々の髪でとても自信を持っていました。
ほとんどの人が髪を褒めてくれていましたが、ここ数年はその面影はありません・・・。。
悪影響として思い当たるのは美容院での白髪染め。2ヶ月に一度くらいのペースでお願いしています。
ただそれ以外ではシャンプーやトリートメント、洗い流さないオイルタイプのトリートメントなど丁寧にしているのですが、翌日にはもうパサパサに戻ってしまいます。
年齢の問題と諦めるしかないのでしょうか、本当に悲しいです。
ゆかりさん 47歳
イオリ先生、新しい相談が届いています。 今日は髪のぱさつきに関するお悩みのようです。 |
美容院で染めるとなると割とお金もかかるけど、定期的に行っているということは美意識が高い人のようね。 |
そうですよね、いろいろなケア商品を試されているみたいですし。 |
基本的に一度剥がれたキューティクルは元には戻らないから、ゆかりさんの場合は美容院で使う薬剤が髪質に合っていないのが原因かもしれないわね。 |
そんなことあるんですか? |
もちろん。美容院というとカットの技術ばかり注目されがちだけれど、実はカラーリングはそれと同じくらいテクニックが必要なの。 |
そうなんですか? 白髪染めは市販でもたくさん販売されているし、テクニックが必要だとは…。確かにムラなく塗るのはテクニックが要りそうですが。 |
カラーリングの何にテクニックが要るかというと、お客様の髪質や状態を的確に判断して、極力髪に負担をかけないように薬剤を調合することなの。 これが下手なところは、お客様の髪がどんどんダメージを受けてしまうのよ。 カラーリングで髪が傷むことは避けようがないけれど、この方の場合テクニックのない担当さんだった可能性が高いわね。 |
カラーリングってそんなに難しいことだったんですね。 |
そう。市販の薬剤を使用していると気づかないでしょうけれど。 あれはどんな人が使用してもそれなりに染まるように作ってあるから。 でも、その分とても髪が傷みやすいのね。 |
確かに、市販の白髪染めで髪を傷める人は多いといいますよね。 |
髪の毛が細い人でも太い人でも、健康な髪でも傷んだ髪でも同じように染めるとなれば、薬剤が強すぎてしまうことは当然あるわ。 健康な髪の人は安価な製品を使用しても案外ダメージが少ないんだけれど、傷みやすい髪質の人やすでに傷んでいる場合、取返しがつかないことになるの。 |
なんでそんなに差が出るんでしょうか? |
まず、元々の毛質があるわね。 キューティクルは髪の表面にあるうろこ状のタンパク質なんだけど、これの重なり具合が人によって違うの。 少なければ4枚程度、多い人だと10枚程度重なっているのね。 普通の白髪染めの場合、このキューティクルを開かせてから、メラニン色素を破壊して新しい色を浸透させるんだけど、キューティクルの層が厚いほうが開きにくいでしょ。 |
なるほど。髪が染まりやすい人と染まりにくい人がいるのはそういう訳なんですね。 |
そう。だから実は染まりにくい人ほど髪が傷みにくい傾向があるのよ。 この質問者さんの場合、元々キューティクルの層が少なかったのかもしれないわね。その上、ヘアカラー剤は髪の表面にある脂質を奪ってしまうの。 |
髪の表面に脂質なんかついているんですか? |
MEAという脂質がキューティクルの表面を覆っていて、髪の毛を摩擦から守ったりまとまりよくしたりする働きをしているの。 でもMEAは一度のヘアカラーで8割以上失われてしまう上、一度失われたら二度と作ることができないのね。 しかも、MEAをトリートメント剤に配合しても、髪に定着させることはとても難しいの。 この質問者さんは2か月半に一度のペースで白髪染めしていたというから、多分リタッチではなく全体を染め直していたんでしょうね。 ということは、MEAはゼロに近い状態でしょう。 |
それで、どんなにケアしてもパサパサが治らないんですね。 |
そう。さらに問題なのが、普通の白髪染めの場合、染めた後もキューティクルがしっかり閉じないから、中の水分がどんどん蒸発してしまうことなの。 キューティクルの奥にあるコルテックスという組織は、12~13%の水分を含んでいて、この水分量が髪の硬さや強さ、しなやかさに影響を与えるのね。 そのほか、コルテックスにはタンパク質や脂質も含まれていて、これらが開きっぱなしのキューティクルからどんどん抜けてしまうの。 だから、髪がどんどん弱ってしまうのね。 |
ということは、もうこの方の髪は元には戻らないんでしょうか。 |
そうね、残念ながら。 美容院でトリートメントを勧められることはよくあるでしょうが、ほとんどの場合自宅ではキープできないわ。 正直な美容師さんの中には「あれは美容院の儲けのため。髪の毛の質が良くなることはない。その場限り」と言う人もいるくらいなのよ。 |
えっ!そうなんですね。。 じゃあ、このお悩みの方の場合、美容院を変えてもよくならないってことですか? |
髪の毛は死んだ細胞の集まりだから、もう元には戻らないと考えたほうが良いわね。 今できるのは、これ以上傷まないようにケアするだけ。 それより、まずは傷んだ髪をできるだけカットして、髪をできるだけ傷めないカラーリングに切り替えるほうがよいでしょうね。 |
髪を傷めないカラーリングというと…。 |
一番安心なのは、ヘアカラートリートメントね。 自宅で簡単にできるし、トリートメント剤だから髪にやさしいの。 自分で染めるのが面倒だという場合は、美容院で酸性カラーなどをやってもらうと髪の傷みが少なくなるわ。 髪の毛のことを本当に考えてくれる美容師さんもいるから、そういう方を探して相談してみることもお勧めするわ。 |
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あのー、イオリ先生、相談させてもらってもいいですか? |
なによ、あらたまっちゃって。 言ってごらんなさい。 |
僕の母親はもうすぐ50歳になるんですが、最近、髪のボリュームが減ってきたり、コシやハリが無くなってきたりしてるみたいで、だいぶ悩んでいるようなんです。 なにか良いケア用品はありませんか? |
トリートメントやヘアパック、ドライヤーとかいろいろあるわよ。でも、その前に・・・ |
その前に・・・? |
多くの人が傷んだ髪を修復することに力を入れてるけど、 それって実はナンセンスなのよね。 |
え、あまり意味がないってことですか? |
そうね。傷んだ髪のケアは髪がそれ以上ダメージを受けるのを引き延ばしてくれるけど、あくまでも延命措置だけなので、受けたダメージは修復できないのよね。 |
だから「どうやってダメージを与えないか」を実践した方が、「傷めたあとの補修」よりだんぜん楽なの。 シアンのお母さん、白髪染めとかしてる? |
あ、はい。そういえば月に2~3回くらいかな。 泡タイプの白髪染めが常時ストックされています。 |
原因のひとつはそれのようね。 シアンも美容師の見習いならちゃんと勉強しておきなさいよ。 |
はい。。。 |
薬剤式の白髪染めは黒い髪も一度脱色してから着色するから、白髪だけじゃなくて健康な毛髪もダメージを受けることになるの。 |
えっ! 白髪を黒くするために、わざわざ黒い髪もいったん白くするってことですか? そんなことして髪は大丈夫なんでしょうか? |
大丈夫なわけないじゃない!僅か数パーセントの白髪を染めるために、健康な黒髪が色素を抜かれてから人工的な色を入れられるなんて、髪にとっては瀕死の重傷ものよ。 |
元気な髪からしたら、とんだ迷惑ですよね。。 |
そうね。さらにやっかいなのは、それだけの破壊力を持った薬剤が頭皮についてしまうことなのよね。 髪を育てている頭皮がダメージを受けてしまうとどうなると思う? |
えっと・・・、新しく生えてくる髪も弱ってしまう? |
そう。そのダメージの蓄積で、髪に充分な栄養が届けられないから足腰の弱い髪になってしまっている可能性はありそうね。
|
でも、「白髪を染めるな」なんて言うと、落ち込むだろうなー・・・・ |
大丈夫。数年前から髪を染めずに「着色」するタイプの白髪染めが出てるのよ。このタイプは髪の表面にナノ化された色素をコーティングするだけだから髪や頭皮を傷めることなくカラーリングが出来るのよ。 |
スゴイ!進化してるんですね。でもそんな良いものだったらなぜみんなそっちを使わないんですか? |
ひとつデメリットがあるの。薬剤式と違って染まりにくいし色が落ちやすいのが難点なのよね。 でも最近ではそのデメリットも解消されていて色持ちが良く染まりやすい商品もたくさん出てきているわよ。 |
へー。それいいですね。髪や頭皮も傷めずに、楽に染められるなんて救世主のようですね。 |
そうね。でも色持ちなどはとても絶妙なバランスで成り立っているからメーカーの開発力によってバラツキがあるのよね。 |
イオリ先生のおすすめの商品はあるんですか? |
ありがとうございます!さっそく母にプレゼントしてみます! |
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