教えてイオリ先生! みんなの相談室
こめかみ部分の白髪が染まらなくて
カラートリートメントを使っていますが、こめかみ辺りの白髪が染まらなくて困っています。
染まらないというより、クリームが乗らないというか、たっぷり付けても弾いてしまうような感じで上手に出来ません。なにか良い方法はありませんか?
ぽこんさん 33歳
イオリ先生、また新しいご相談です。 こめかみ部分の白髪が染まりにくいことでお悩みのようです。 |
こめかみやおでこの際あたりは、誰でも染まりにくくて苦労しているようね。 でも、それは美容院でやってもらっても同じなの。 必ずこめかみやおでこなどの顔回りには薬剤を多くつけるし、つけた後に紙で抑えてからさらにラップを巻くなどしているわね。 |
こめかみって何でそんなに染まりにくいんですか? |
まずは、短い、あるいは細い毛が多いことね。 実際には同じような髪の毛は頭部全体にあるのだけれど、顔の回りはそれが目立つの。 短いとツンと立ってしまうし、細いと染料がうまく乗らないから、どうしても塗りにくいし、染まりにくいのね。 |
質問者さんは「弾いてしまうような感じ」と書かれていますが、髪に皮脂でも付いてしまっているんでしょうか? |
脂症の場合は、それもあり得るでしょうね。でも、一番の原因は短い毛や根元ほど健康だからなの。 生まれたての髪や根元は、ほとんど紫外線やシャンプーなど、外部からのダメージを受けていないでしょう? 本来、髪の表面はMEAという天然の脂質成分でコーティングされていて、摩擦や紫外線から髪を守っているの。 でも、MEAはブラッシングやシャンプー、紫外線などで失われやすく、一度なくなると自然再生はしないのね。 MEAは毛穴から出て来た脂質から出来ているから、毛穴に近く、しかも生えたばかりでMEAでコーティングされている短い毛や根元ほど染まりにくくなるの。 |
出典:http://www.luxe-net.com/spa/
へー、知りませんでした。健康な髪ほど染まりにくいんですね。 よく染まるほうが嬉しいけれど、その場合、実は傷んでるってことなんですね。 |
そういうことね。 よく染まるためにはキューティクルが開いて、染料が中に浸透しなくてはいけないの。 一般的な白髪染めはアルカリ剤で無理矢理キューティクルを開くことで染まりをよくしているんだけれど、それでも健康な根元にはMEAが存在するからしっかり染まらないことが多いわね。 根元から離れるほどMEAがなくなってキューティクルが損傷していから、下に行けば行くほど染まりがよくなるのよ。 |
それってカラートリートメントでも原理は同じなんですか? |
ヘアカラートリートメントの場合は、キューティクルを薬剤で開くことはせず、2種類の染料を使用して髪に色をつけるようになっているものがほとんど。 外側は分子の大きい染料が付着し、内側はキューティクルの隙間から分子の小さい染料が入り込んで染めるの。 でも、MEAでキューティクルが覆われていると、分子の小さい染料でも浸透しにくくなるから、分子の大きい染料が髪表面に付着するだけになってしまうのよ。 だから、白髪染めと同じように根元部分や短い毛は染まりにくく落ちやすいの。 |
なるほどー。そういうことか。 でも、そうなると こめかみや生え際をきれいに染めるのって無理なんですか? |
そんなことはないわ、工夫が必要だけれど。 まず、乾いた髪に塗ること。 そして、その部分を最初に塗ることね、トリートメント剤をたっぷりつけて。 塗るというより、髪が見えなくなるくらい「盛る」といいわ。 白髪染めと違って皮膚についても落ちやすいし、刺激の少ない成分で作られているから大丈夫。 手で塗る人とブラシで塗る人がいるけれど、ブラシのほうが塗りやすい反面、薬剤がブラシに取られてしまうこともあるから、気をつけてね。 |
染めたい部分全体に塗ったら、最後にもう一度、こめかみやおでこの際の髪がしっかり染料で覆われているかチェックして。 その後、ティッシュなどをその部分につけて、それからラップやシャワーキャップを被るといいわ。 その時にドライヤーで熱を加えると染まりがよくなるから、温風を数分かけるとさらにいいわね。ただし温度が高すぎると髪のタンパク質が変質してしまうから、60℃以下に設定すること。 |
最後にタオルで髪全体を覆って保温すると、しっかり色が定着するわよ。 内側がアルミでできた専用のヘアキャップもあるから、それを利用すると簡単ね。 |
「乾いた髪に」と「保温すること」が大切なんですね。 |
そう、だから室内の温度にも気を配るといいわ。 キューティクルは温まると自然に開くようになっているの。 室内の温度が低いと髪のキューティクルが開きにくいから、いくら分子の小さい染料が配合されていても浸透するのに時間がかかってしまうでしょ。 |
へー。室内の温度も関係するんですね! せっかくそこまで苦労して染めたら、今度は長くキープしたくなりますね! なにか良い方法ってあるんですか? |
シャンプーは専用のものかアミノ酸系を使用したほうがいいわね。 高級アルコール系のシャンプーは洗浄力がとても強いから、髪の表面の染料が落ちやすくなるの。 さらに、手触りを良くするためにコーティング剤が配合されているから、次にヘアカラートリートメントを使用した時にカラー剤が浸透しにくくなってしまうわ。 |
ただ、顔の回りは洗顔でクレンジング剤がつくから、どうしても色落ちしやすいの。 だから、入浴2~3回に1回は顔の回りだけは染め直すといいわね。 温かいバスルームでシャンプー後ならキューティクルがよく開いているから、しっかりタオルドライした後に塗って、シャワーキャップを被って5~10分放置するとよく染まるわ。 髪に水分がたくさん残っていると染料が浸透しにくいので、タオルドライは忘れずにね。 |
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あのー、イオリ先生、相談させてもらってもいいですか? |
なによ、あらたまっちゃって。 言ってごらんなさい。 |
僕の母親はもうすぐ50歳になるんですが、最近、髪のボリュームが減ってきたり、コシやハリが無くなってきたりしてるみたいで、だいぶ悩んでいるようなんです。 なにか良いケア用品はありませんか? |
トリートメントやヘアパック、ドライヤーとかいろいろあるわよ。でも、その前に・・・ |
その前に・・・? |
多くの人が傷んだ髪を修復することに力を入れてるけど、 それって実はナンセンスなのよね。 |
え、あまり意味がないってことですか? |
そうね。傷んだ髪のケアは髪がそれ以上ダメージを受けるのを引き延ばしてくれるけど、あくまでも延命措置だけなので、受けたダメージは修復できないのよね。 |
だから「どうやってダメージを与えないか」を実践した方が、「傷めたあとの補修」よりだんぜん楽なの。 シアンのお母さん、白髪染めとかしてる? |
あ、はい。そういえば月に2~3回くらいかな。 泡タイプの白髪染めが常時ストックされています。 |
原因のひとつはそれのようね。 シアンも美容師の見習いならちゃんと勉強しておきなさいよ。 |
はい。。。 |
薬剤式の白髪染めは黒い髪も一度脱色してから着色するから、白髪だけじゃなくて健康な毛髪もダメージを受けることになるの。 |
えっ! 白髪を黒くするために、わざわざ黒い髪もいったん白くするってことですか? そんなことして髪は大丈夫なんでしょうか? |
大丈夫なわけないじゃない!僅か数パーセントの白髪を染めるために、健康な黒髪が色素を抜かれてから人工的な色を入れられるなんて、髪にとっては瀕死の重傷ものよ。 |
元気な髪からしたら、とんだ迷惑ですよね。。 |
そうね。さらにやっかいなのは、それだけの破壊力を持った薬剤が頭皮についてしまうことなのよね。 髪を育てている頭皮がダメージを受けてしまうとどうなると思う? |
えっと・・・、新しく生えてくる髪も弱ってしまう? |
そう。そのダメージの蓄積で、髪に充分な栄養が届けられないから足腰の弱い髪になってしまっている可能性はありそうね。
|
でも、「白髪を染めるな」なんて言うと、落ち込むだろうなー・・・・ |
大丈夫。数年前から髪を染めずに「着色」するタイプの白髪染めが出てるのよ。このタイプは髪の表面にナノ化された色素をコーティングするだけだから髪や頭皮を傷めることなくカラーリングが出来るのよ。 |
スゴイ!進化してるんですね。でもそんな良いものだったらなぜみんなそっちを使わないんですか? |
ひとつデメリットがあるの。薬剤式と違って染まりにくいし色が落ちやすいのが難点なのよね。 でも最近ではそのデメリットも解消されていて色持ちが良く染まりやすい商品もたくさん出てきているわよ。 |
へー。それいいですね。髪や頭皮も傷めずに、楽に染められるなんて救世主のようですね。 |
そうね。でも色持ちなどはとても絶妙なバランスで成り立っているからメーカーの開発力によってバラツキがあるのよね。 |
イオリ先生のおすすめの商品はあるんですか? |
ありがとうございます!さっそく母にプレゼントしてみます! |
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