トウキ根エキスの成分解説と安全性、役割

「当帰」と書くセリ科シシウド属の多年草の根を湯通ししてから乾燥させ、抽出したのがトウキ根エキスです。
中国医薬で良く使用される当帰はAngelica Sinensis（カラトウキ）です。
トウキ根エキスに使用されるのは、2000年まではAngelica Acutilobaといい、ツクバトウキ、ホッカイトウキ、ミヤマトウキなど日本に植生している当帰のみでした。
しかし2000年以降、中国や韓国産の当帰も使用が可能になっています。

血液循環を良くする働きがあるとされ、多くの漢方薬に配合されています。
特に婦人病に卓効があり、冷えからくる様々な症状を緩和します。
また、女性ホルモンのバランスを取る働きがあることで知られ、更年期障害にも効くといわれています。

リグスチリド、フタリド、ファルカンジリオール、アラビノガラクタン、フェルラ酸など多くの有効成分を含んでいます。
抗炎症、中枢抑制、鎮痛、向精神、抗アレルギー、免疫強化、放射線防御効果などがあるといわれており、最近はガンの毒素を分解する作用も期待されています。

血行を良くすることから通経作用があり、妊娠中は避けるべきといわれています。
また、成分のベルガプテンは光毒性があるとされており、少量であれば問題はないと思われますが、できれば朝昼は使用しないほうが安全です。

漢方では鎮痛、鎮痒、収れん、消炎作用のために外皮用薬に配合されています。
血管拡張作用があることから血行を良くし、乾燥を防ぐ働きや健康的な肌を維持する効果が期待できます。
また、抗アレルギー作用があることから、アトピー肌にも使用できます。
血行改善や消炎作用によって頭皮環境が良くなることから、育毛剤などにも使用されます。