オレイン酸グリセリルの成分解説と安全性、役割

オレイン酸とグリセリンのエステルで、ノニオン（非イオン）界面活性剤の一種です。
オレイン酸とはオリーブオイル、ヒマワリ油、ベニバナ油をはじめナッツや肉類、大豆類など多くの食品に含まれている不飽和脂肪酸です。
グリセリン（グリセロール）は大豆や動物の油脂を加水分解して得られる成分です。
この2つのエステルなので、天然系・自然由来界面活性剤といわれることもあり、石油系界面活性剤不使用と謳う自然派化粧品などによく使用されています。

WHOによる食品添加物としての検査では、体内で加水分解されることなどから通常の摂取量であれば問題はないとしています。
また、これを裏付ける試験を財団法人畜産生物科学安全研究所で行なっており、経口摂取によるラットの試験では、相当量摂取しない限り異常はほぼ見られなかったという結果が出ています。
しかし日本医薬品添加剤協会によると、ヒトへの塗布による検査では、パッチテストによって若干の刺激を感じた例があるとの結果でした。
完全に安全であるとまではいえませんので、不安な場合は配合されていない商品を選ぶようにしましょう。

ノニオン界面活性剤なので、主に乳化剤として成分を均等に混ぜる働きをします。
界面活性剤の中では安全性が高く天然の成分から合成されているので、自然派化粧品のクリームや乳液、シャンプーやトリートメントなどに配合されることが多いです。
ヘアカラーやカラートリートメント製品にも使用され、ムラなく染まりやすくなります。
またエモリエント効果があるので、肌をしっとり落ち着かせ肌荒れから防ぎます。