乳酸Naの成分解説と安全性、役割

乳酸を水酸化ナトリウムで中和して作られる、乳酸ナトリウム塩のことです。また、天然保湿因子（NMF）に含まれる天然の保湿成分としても知られています。
食品添加物のひとつとして、主に漬物類や水産加工品類、畜肉加工品類などに利用されている素材です。味の調和をとる目的のほか、優れた保湿性によって食品のひび割れや乾燥を防ぐ目的でも使用されています。
また、米国では食肉加工食品などの日持ち向上の目的でも使用され、日本では冷凍食品などの冷凍障害防止の目的でも使用されています。
食品には乳酸Naではなく、ひとくくりに調味料、酸味料、 pH調整剤と表記されることもあるでしょう。
保湿性の高さについては美容製品でも活用されており、グリセリンの代用成分として使用されています。
他にも、穏やかな角質剥離効果や収れん効果にも期待がもてる素材として、スキンケア製品ほかヘアケア製品にも配合される成分となっています。

食品添加物としても幅広く用いられる素材ですので、毒性などはなく安全性も高いと考えられます。
乳酸とは異なる物質で、また「乳」という文字がつくものの乳製品とも異なるものですので、同じものと判断しないよう注意しましょう。

グリセリンのように高い吸湿性をもつことから、保湿剤や湿潤剤として用いられる素材のひとつです。
グリセリンの代用成分としても用いられ、乾燥から肌を守り柔軟にする目的で、化粧水や乳液、美容液などのスキンケア製品にも幅広く用いられています。
また、穏やかな角質剥離効果や収れん効果にも期待がもてることから、美白ケアや毛穴ケア、ピーリングを目的とした化粧品にも使用されているでしょう。
他にも、クリームのキメを細かくするための調整剤や乳化安定剤として活用されることから、シャンプーや白髪染めといったヘアケア製品にも配合されるケースのある素材です。
NMFに含まれる天然保湿成分としても知られていることから、NMF成分という呼び名が用いられることもあるでしょう。