【スッキリ解決】カラートリートメントに対する疑問と上手な使い方教えます-美髪ラボ

最近はカラートリートメントも市民権を得たという感じで、ほとんどのドラッグストアで販売されるほどになりました。
しかし白髪染めに比べると高価ですし、あまりよく染まらないという噂も耳にします。
高いのに染まらないなら、意味ないと思ってしまいますよね。

実際のところはどうなのか、上手に使うにはどうしたら良いかについて解説します。

髪や頭皮に優しい白髪染めを使いたいけど・・・

誰でも、髪や頭皮を傷めるとわかったら白髪染めは使いたくありませんよね。
しかし、これまでに2剤式の白髪染めやおしゃれ染めなどのヘアカラーで特に問題が起きていない場合、なかなか別のタイプのカラー剤に切り替える気持ちになれないのではないでしょうか。

カラートリートメントは量の割に高いですし、ドラッグストアでも白髪染めやおしゃれ染めのコーナーに比べるとずっとスペースが狭いですから、何となく手が出しにくいですよね。
本当にカラートリートメントは髪と頭皮に優しいカラーリング商品なのでしょうか。

カラートリートメントって本当に良いの？という方へ

カラートリートメントの良さより、まずは2剤式の白髪染めの危険性を知ってください。
白髪染めは、確かに白髪が全くわからなくなるほどしっかり染めてくれます。
しかし、それは髪にダメージを与えているからです。

髪表面にはキューティクルといううろこ状の層があり、その奥にあるコルテックスという部分にある髪の成分が流出するのを防いでいます。
しかし、髪色を作るメラニン色素もコルテックス内にあるため、それを破壊し、酸化染毛剤を代わりに入り込ませなければなりません。
そこで、アルカリ剤でキューティクルをこじ開けるのです。

しかしアルカリ剤は残留性が高く、一度髪の毛に入り込むと2～4週間は抜けません。
そのためキューティクルが開いたままになり、シャンプーやちょっとした摩擦などで、コルテックス内のタンパク質、脂質、水分などがどんどん隙間から逃げてしまい、髪がパサパサになってしまうのです。

また、染料は酸化染毛剤といって、アレルギーを引き起こす可能性が高い成分です。
特に、多くの白髪染めに使用されているパラフェニレンジアミンはその危険度の高さから旧表示指定成分になっており、アナフィラキシーショックで死亡した人もいます。

さらに、2剤に配合されている過酸化水素というブリーチ剤は、濃度によっては火傷を引き起こし、目に入ると失明する可能性もある劇薬指定成分です。
しかも、過酸化水素が毛穴内に蓄積されるとメラニン色素を破壊して白髪を増やす、という説が2009年に発表され、現在では白髪の大きな原因と認識されているのです。

カラートリートメントには、このような危険な成分は一切配合されていません。
ですから髪と頭皮のことを考えるのなら、危険な白髪染めではなく、カラートリートメントを使用することをおすすめしたいのです。

カラートリートメントの特性とメリット及び基本的な使い方

確かに、「あまりよく染まらない」という噂は嘘ではありません。
しかし、それはカラートリートメントの「特性」であり、本当の意味での「デメリット」ではないのです。

まずはカラートリートメントの特性を理解しましょう

カラートリートメントは、髪と頭皮に負担をかけないことを追求したヘアケア製品です。
ですから、染毛料もHC染料や塩基性染料といった、合成染料の中では最も安全度が高いといわれる成分を使用しているものがほとんどです。

HC染料はキューティクルを開かなくても良いよう非常に分子が小さくなっており、隙間から髪の毛の内側に入り込みます（メーカーにより、「マイクロ染料」「ナノ分子カラー」などの成分名になっています）。
また塩基性染料はプラスの電荷を持ち、髪のマイナスイオンと結合することで髪の表面に吸着します（「イオン化染料」「イオンカラー」などという名称を使うところもあります）。

しかし、HC染料はイオン結合していない上に分子が小さいため流出しやすく、また塩基性染料も結合力がそれほど強くありません。
そのため、白髪染めの酸化染毛剤が髪の奥にまで入り込み髪に色をつけるのと比較すると染まりにくく、色落ちもしやすいのです。

また、白髪染めの場合過酸化水素でメラニン色素が破壊されているため、退色しても元の色には戻りません。
しかし、カラートリートメントの染め方はメラニン色素は壊さず上からコーティングする方法なので、少しずつ元の色に戻っていきます。

これはしっかり染めるという点だけから見ればデメリットですが、髪や頭皮を傷めないからこそ色落ちしやすいのです。
しっかり染まり色落ちせず、しかも髪や頭皮を傷めない染料は現在のところ存在しません。

カラートリートメントのメリットは安全性だけじゃない！

カラートリートメントのメリットは他にもあります。

＜ポイント1：シャンプー後の濡れた髪に使える＞
カラートリートメントのもう一つのポイントは、シャンプー後の濡れた髪にトリートメントとして使用できるものが多いということです。

白髪染めの場合、前日までにシャンプーし、汚れても良い服に着替え、顔や服、回りの家具や床につかないよう注意しながら塗布しなければいけません。
しかしカラートリートメントの場合、最初の数回は白髪染めと同じように染めたほうが良い製品が多いのですが、一度染まればあとはトリートメントとしてシャンプー後に使用すれば良いので、とても手軽なのです。

＜ポイント2：色落ちが自然で伸びて来た白髪との境が目立たない＞
カラートリートメントは染まり方も色落ちも自然なので、白髪染めのように白髪が伸びて来た時に黒髪との境があまり目立ちません。
その上、カラートリートメントを使用していると段々髪のハリやコシが蘇るので、髪の根元が立ち上がるようになり、さらに白髪が目立ちにくくなります。

＜ポイント3：美髪成分が配合されているので、効果的なヘアケアができる＞
カラートリートメントはその名の通り、染毛料入りのトリートメント剤です。
うるおいを与える成分やハリ・コシ成分などが配合されており、使用を続けると美髪成分が髪に浸透し、サラツヤ髪になっていくのです。

＜ポイント4：頭皮環境を改善する＞
染めた白髪を美しくするには、髪だけでなく土台となる頭皮環境も良くなくてはいけません。
カラートリートメントの中には、頭皮の保湿や血行促進を促進させる成分が配合されているものも少なくありません。
使用していると頭皮ケアができるため、髪が太く強くなってくるのです。

カラートリートメントの基本的な使い方

ここで、簡単にトリートメントの使い方をご紹介しましょう。
製品によって違いはありますが、大きく分けてこの2パターンです。

①シャンプーの前に使用する場合

初めてカラートリートメントを使用する場合や、2剤式の白髪染めでも染まりにくい髪質に向く方法です。

乾いた髪に顔の回りや分け目など、白髪が目立ちやすいところから塗っていきます。
液剤を手に取って直接上から塗り、数回繰り返して全体に塗ります。
奥まで届くよう、色々な向きからブラシで髪を梳かします。

塗り終わったらラップやヘアキャップをつけ、その上にさらに蒸しタオルなどを巻いてしっかり保温し、20～30分放置します。
この時にドライヤーで温風を5～10分かけるとさらに効果的です。

なお、放置時間ですが、製品によって長時間放置したほうがより染まるものや、ある一定時間以上放置しても同じ、という製品があります。
説明書や公式サイトで確認してくださいね。

その後、洗い流します。
色水が出なくなったらシャンプーとトリートメントをします。
シャンプーをしないほうが色落ちしないから、とシャンプーを使用しない人もいますが、その場合はたっぷりのお湯で時間をかけて洗い流してください。

すすぎが不十分だと、寝具や服に色が移ることがあります。
あとは普段と同様、タオルドライしてからドライヤーで乾かします。

②シャンプー後に使用する方法

シャンプー後のトリートメントとして使用する方法で、手軽です。
洗髪後しっかりタオルドライし、その後①と同様に全体に塗布します。
シャワーキャップをかぶり、書かれている時間通り放置し、後はお湯で洗い流します。

この場合はシャンプーやトリートメント剤は使用しません。
週1～2回の割でトリートメントとして使用すると、いつも色をキープできます。

【Q&A】カラートリートメントに対する疑問にお答えします

白髪染めと違い、ちょっとしたポイントや注意点があります。
髪質や状態によって結果が変わってきますが、下のコメントを参考にしてくださいね。

Q本当に誰でも使える？染めるのに掛かる時間は？⇒

基本的に刺激が強い成分は配合されていないので、肌が敏感な場合でも使用できます。
しかし、美髪成分として天然由来エキスを多く配合している製品の場合、アレルギーを引き起こす植物が含まれていることがあります。
アレルギー体質の方は、使用前に成分を確認しましょう。

染めるのにかかる時間は、髪の傷み具合や太さ、量などによって違ってきます。
髪が傷んでいる場合はキューティクルが開いているので染料が入り込みやすく、髪が健康な場合はキューティクルが閉じているので時間がかかります。

製品によっても違いますが、乾いた髪に使用する場合は30分前後、濡れた髪に使用する場合は5～15分程度というものが多いようです。

乾いた髪と濡れた髪で時間が違うのは、濡れているほうがキューティクルが開きやすいため、より短い時間で染まるからです。
しかし濡れていると染料が薄まったり垂れたりしやすいので、しっかりタオルドライしないとよく染まりません。

また、シャンプー後に使用する方法は手軽さを重視しているので、色がしっかり入るまでは乾いた髪に、入ってからはシャンプー後に使用すると良いでしょう。

Q染まりが悪い場合の良い対処法はある？⇒

白髪染めのように一度できれいに染まることはなく、3回程度の使用でほとんど目立たなくなることが多いです。

カラートリートメントはコツをつかんだほうが、少ない回数で自然に染まります。
ポイントは3つあります。

ノンシリコンシャンプーを使い、髪の毛に余計なコーティング剤をつけない状態にして、ドライヤーで乾かします。
次に白髪が隠れるくらいたっぷり塗り、ラップやビニールのヘアキャップで覆ってから、さらに蒸しタオルやドライヤーで温めてキューティクルを開かせます。

特に冬は室温が低いので、部屋を暖めてから染めてください。
このようにすると、白髪染めに近い染め上がりにすることも可能です。

また、説明書に書かれているより長い時間放置するのも効果があります。
2剤式白髪染めでも時間がかかっていたという人の中には、2時間放置するという人もいます。
カラートリートメントは刺激の強い成分は配合されていないものが多いので、特に「無添加」を謳うものなら長めに放置しても安心です。
もちろん、刺激を感じたらすぐ洗い流してください。

なお、カラートリートメントは手で染めたい部分に塗布し、その後手やブラシで奥まで伸ばして行き渡らせるという方法が一般的ですが、それだとどうしても奥や生え際の白髪がしっかり染まりにくくなります。

公式サイトではよりしっかり色が入る染め方として、最初から染料をブラシやクシにつけ、根元から塗布することをすすめています。

Qどれくらい色持ちするの？使う頻度は？⇒

これは、髪質や状態によって大きく違ってきます。
髪が健康なほど染まりにくいのですが、一度染まると色落ちしにくく、1週間～10日に一度でも大丈夫です。
しかし髪が傷んでいるとキューティクルが開いているので染料が逃げやすく、一度でかなりよく染まるものの、週に2～3回使用しないと色を保てない場合があります。

また、髪の太さによっても違います。
髪が太いほうがキューティクルの層が厚いことが多いため、染まりにくく落ちにくい傾向があります。

各メーカーのトリートメントと髪の相性もかなりあるので、色々試したほうが良いでしょう。

Q洋服や帽子等に色移りすることはないの？⇒

白髪染めと違いカラートリートメントの染毛料は髪内部には定着しないため、シャンプーごとに色落ちしますし、摩擦などで色移りすることもあります。
それを避けるためには、充分にすすぐことと、ドライヤーを使って髪をしっかり乾かすことです。

使用した翌日は雨や汗で塗れないようにし、また万が一汚れても良いよう白っぽい服や帽子は避けたほうが安心です。

また、ドラッグストアで販売されている大手メーカーの安価なもののほうが、色移りしやすい傾向があるようです。
筆者の経験でいうと、市販のビゲンやダリヤなど1,000円以下のものは一度ではほとんど染まらず、それでいて帽子のふちや枕カバーにかなり色移りしました。
髪質が太く硬いというのが関係しているのかもしれません。

Qパーマや美容室での白髪染めと併用できる？⇒

美容室で使用するパーマ液や白髪染めには、市販品と同様アルカリ剤や過酸化水素が配合されています。
美容師は髪質や状態をチェックし、最も良くパーマがかかる、あるいはきれいにヘアカラーできるよう薬剤を調整し、施術します。

ところが、カラートリートメントに配合されている髪の保護成分によって薬剤の浸透が妨げられ、パーマ液やカラー剤の力が弱まることがあります。
するとかかりが悪くなったり、色が変色したりしてしまうのです。

これはカラートリートメントをしたばかりの時に多く起こりやすく、トリートメントの保護成分が徐々に落ちてくるとトラブルは起こりにくくなります。

そのため、カラートリートメントをした後1～2週間空けると良いといわれています。
詳しくは公式サイトのQ&Aを確認したり、メーカーや美容室に問い合わせたりするようにしてください。

特に、美容室に行く前にお店に確認したほうが良いでしょう。
美容師はお客さんの髪を見ただけでは白髪染めで染めたのか、カラートリートメントを使用したのか判断できません。
知らないままにいつもと同じように施術されてしまうと、トラブルが起きる可能性があるのです。

Q使用後に何らかのケアをする必要はある？⇒

カラートリートメント自体に髪や頭皮をケアする美容成分が配合されているので、特別なヘアケアは必要ありません。

しかし、シャンプー選びは大切です。
高級アルコール系シャンプーを使用すると、洗浄力が強いため染料まで落ちやすくなってしまいます。
色持ちを良くしたい場合は、洗浄力が穏やかなアミノ酸系シャンプーか、同じメーカーから出ているカラー用のケアシャンプーを使用すると良いでしょう。

また、利尻カラーシャンプーのようにシャンプー剤で染める商品もありますので、併用することで色がさらに定着し、トリートメント作用で髪と頭皮を保護してくれます。

また、できれば紫外線対策もしたほうが良いでしょう。
HC染料や塩基性染料は、紫外線で退色することはあまりありません。
しかし、紫外線によって髪がダメージを受けるとキューティクルが剥がれやすくなり、染料も落ちやすくなってしまうのです。

日傘や帽子、日焼け防止スプレーや洗い流さないトリートメントなどでダメージを防ぐようにしましょう。

まとめ

色持ちが良くなければ使用したくない、という場合にはカラートリートメントでは満足できないでしょう。
しかし、今後のことを考えて染めたいのであれば、カラートリートメントをお勧めします。

白髪染めのリスクと煩わしさから脱却しましょう！

白髪染めのリスクは、いつアレルギー性皮膚炎が発症するかわからないということです。
2010年に発覚した「茶のしずく石鹸事件」を覚えている方もいると思いますが、何年も使用していて問題がなかったのに、ある日突然呼吸困難に陥ったりアナフィラキシーショックを発症したりした人が100人以上いたのです。

アレルギーの発症は人によって違い、初めて使用して発症してしまうこともあれば、数年数十年使用した後に起こる場合もあります。
初めて、あるいはそれほど使用経験がないのにアレルギーを起こした場合、原因となる成分に似た化学構造のものをすでに何回も使用していたために、「交叉（交差）反応」が起きた可能性があります。

交叉反応とは似た化学構造の成分に同じように反応してしまうことで、白髪染めに使用されている酸化染毛剤のパラフェニレンジアミンはこの交叉反応を引き起こす成分です。

一例として、口紅などに使用される赤系のタール色素が似た化学構造をしているため、その口紅を長期間使用していた場合、白髪染めを1回使用しただけで激しいアレルギー症状を引き起こすこともあります。

白髪染めは繰り返し使用するものですから、毛穴などから少しずつ体内に蓄積され、それがある量に達するとアレルギーを発症する危険性があります。
経口摂取より経皮吸収されたほうが排出されにくいという実験結果もあり、加齢とともに新陳代謝が衰え有害物質や老廃物が滞留しやすくなると、アレルギーを発症する確率も高くなってくるのです。

このままロシアンルーレットのような白髪染めを使い続けるのは、もう止めませんか？

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