白髪の原因がアルコールだ、という説があります。
でも、それなら飲酒しない人はずっと黒髪のままか、というとそんなことはないし…。
ただ、頻繁に飲酒している人ほど白髪が多い、あるいは生えるのが早い傾向はあるようです。
単なる偶然?根拠はあるの?断酒しないとダメ?
今後もアルコールを楽しみたい人のために、そんな疑問とおすすめの飲み方について徹底解説します。
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「アルコール=悪」ではない
「酒は百薬の長」といいますね。
この言葉が中国から来たことから、「中国医学で良いと言っているのなら…」と考えがちですが、どうやらこれは新の時代に王莽(おうもう)という黄帝が、自分の酒好きを正当化するために言った言葉のようです。
とはいえ、英語でも「Good wine engenders good blood(良いワインは良い血を作る)」ということわざがあるくらいですから、決して「アルコール=悪」ではありません。
「酒は百薬の長」は正しい!適度なアルコールはこんなに身体に良い
アルコールの効果については近年研究が盛んになり、適度であれば肉体的にも精神的にも良いことがわかっています。
その理由として、以下のことが挙げられます。
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血行がよくなる
アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解され、さらに「酢酸」に分解されるのですが、この2物質には血管を拡張する働きがあるため、血行が促進されます。
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食欲増進
欧米では食前酒を飲むことが当たり前ですが、これはアルコールに唾液や胃液を分泌させる働きがあるからです。
また、アルコールを分解する際には体内の糖を消費するため、血糖値が下がります。
人間は血糖値が下がると空腹を感じるようになっているため、食欲が出て来るのです。
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ストレス解消
アルコールには神経伝達物質の分泌を促進させる作用があります。
快感を呼ぶ「ドーパミン」、精神を安定させる「セロトニン」、多幸感をもたらす「エンドルフィン」などの分泌が盛んになるため、その効果が持続する間はストレスが解消され、リラックスできるのです。
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疲労回復
少量のアルコールは副交感神経を活発にする働きがあるので、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、ぐっすり眠れます。
心身の疲労回復には睡眠が最も効果的といわれており、身体と心のストレスを緩和してくれるのです。
また、血行がよくなることで固まった筋肉がほぐされ、アルコールの利尿効果で疲労物質や老廃物が排出されやすくなります。
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コミュニケーションの潤滑剤になる
リラックスモードでの会話はお互いの距離を縮めることになり、特に社内でのコミュニケーションに役立ちます。
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ただし、過度なアルコールは様々な不調の原因になります
「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」。
上で好影響を5つ挙げましたが、飲み過ぎるとすべてが悪いほうに行ってしまいます。
①血行が良くなるのは飲酒直後だけ
アルコールが抜けると広がっていた血管が収縮するため、逆に血行が悪くなってしまいます。
しかも、「アセトアルデヒド」は有害物質で、二日酔いの原因となるだけでなく、発がん性があることが知られています。
これが血管が拡張されている間に全身に広がり、血管が収縮することでそのまま体内に留まってしまうのです。
②食欲が異常に増し、太る
食事をして血糖値が上がると、脳が満腹感を感じ食欲が止まります。
しかしお酒を飲んでいると血糖値が下がるため満腹感が得られず、いつも以上に食べてしまい、太りやすくなるのです。
よく締めにラーメンを食べたくなるのは、血糖値を上げるために炭水化物を摂りたいという体の欲求からくるものです。
③自律神経を乱し、新たなストレスの原因に
ストレス解消にもってこいと思われるアルコールは、全臓器に非常に負担をかけています。
肝臓については良く知られていますが、脳も非常に悪影響を受ける部分です。
自律神経のコントロールができなくなり、イライラや不安を増幅してしまいます。
飲んで喧嘩になったり突然泣き出したりするのも、このせいなのです。
④疲労増加、さらに熟睡できず疲労度アップ
副交感神経を優位にさせるアルコールの量は、それほど多くありません。
飲み過ぎると交感神経が優位になってしまい、全身が緊張してしまうため疲労が増してしまいます。
また熟睡できなくなったり、利尿作用のせいで夜中に何度もトイレに起きてしまったりするため、疲労回復どころかさらに疲労してしまいます。
⑤生活習慣が乱れる
ついつい週末は深酒…そんなことはありませんか?
翌日は仕事がないから飲み過ぎても問題ない、と思っているなら間違いです。
深酒すると臓器に負担がかかり、それを修復するには時間がかかります。
さらに加齢とともにアルコール分解能力が低下するため、1~2日では回復できなくなってきます。
すると朝起きられなくなったり昼間もぼーっとしたり、しかも夕方になると副交感神経が活発になるためさらにダラダラしてしまい…と、生活習慣がどんどん乱れてしまうのです。
⑥コミュニケーションに支障が出る場合も
交感神経が優位になるほど脳が興奮するため、飲んでしまうと相手に喧嘩腰になったり、自分の立場を忘れて相手に絡んだりしてしまいがちです。
また、表情研究の第一人者である清水建二氏によると、アルコールが回ると相手の表情をうまく読み取れなくなるそうです。
例えば、相手があなたを見て「お酒飲み過ぎじゃない?」と心配して眉をひそめると、それが「飲み過ぎるなんて、バカじゃないの」と考えているように見えてしまい、喧嘩になってしまいやすいのです。
毎回これでは、いずれ大きな溝ができてしまうかもしれませんね。
厚生労働省では、「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度」というガイドラインを作成しています。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-003.html
純アルコール20グラムは、ビール中瓶1本、酎ハイ350ml、日本酒1合程度です。
特に毎晩晩酌する人は、できるだけこの範囲で抑えるようにしましょう。
白髪の原因とアルコールの関係
アルコールの飲み過ぎが体に悪影響を及ぼすことはおわかりいただけたと思いますが、白髪にはどういう影響があるのでしょうか。
アミノ酸は毛髪生成に不可欠だが、アルコール分解にも必須
髪の毛のケラチンタンパク質の主成分の一つがシスチンが2つ結合したシステインで、髪の毛の合成に非常に重要な働きがあります。
しかし、システインとその原料のメチオニンは、アルコール分解酵素(ADH)とアセトアルデヒド分解酵素(ALDH)を活性化させる作用があり、身体にとってはそちらのほうがはるかに重要です。
肝臓は身体の内部環境を維持する最も重要な臓器なので、その肝臓を守るためにアルコール分解をできるだけ早く行わなければなりません。
また、肝臓は血液の循環にも携わっており、アルコール分解で疲労した肝臓をそのままにしておくと血行不良を招きます。
そのため、毛髪の生成という生命の維持に関係ないことは後回しにされてしまい、アルコールの摂取量が増えるほど髪に悪影響が出るのです。
アルコールの過剰摂取で肝機能低下・・・身体と毛髪の劣化の原因に
肝臓は体内の臓器の中で最も働き者で、なんと500以上の仕事をしています。
その中でも最も大切なのが3つの働きです。
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代謝
食事で摂ったたんぱく質・脂肪・糖を代謝して各器官が使える形にしてから貯蔵し、必要に応じてエネルギー源とする。さらにブドウ糖を24時間脳に供給している
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解毒
体内に入って来たアルコール、アンモニア、食品添加物などの有害物質や不要物を分解し無毒化する
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胆汁の生成
コレステロールと胆汁酸から胆汁を生成し、脂質の消化吸収を助けたり、肝臓で無毒化された有害物質などを排泄したりする。また、胆汁を生成することでコレステロール濃度を調節する
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これだけの仕事を一度に行っているため、アルコールの処理は1時間に5g程度で、ビールでいうとコップ3/4杯分程度しか処理できないのです。
単純計算で、ビール中ジョッキ2杯分を処理するのに7時間、日本酒3合なら12時間もかかってしまいます。
そんな状態が続くと、アルコール代謝の過程で生成した中性脂肪が肝臓内にどんどん溜まってしまいます。
中性脂肪が肝臓の30%以上の細胞に溜まった状態を「脂肪肝」といい、肝臓が疲労し機能が低下してしまいます。
すると代謝や解毒作用が十分に行なえなくなり、エネルギー不足や毒素の蓄積が起こるようになります。
すると末端である毛髪には栄養が届かなくなり、髪に白髪や脱毛が起こりやすくなるのです。
また、肝臓は「IGF-1」という髪の成長を促進する成長因子を生成しています。
この因子には毛母細胞や髪に色をつける色素細胞(メラノサイト)の働きを活発にする作用があるのですが、肝臓機能が低下するとこの因子が分泌されにくくなります。
さらに、肝臓は胆汁を生成することでコレステロール量をコントロールしているのですが、その機能が低下すると血中コレステロール値が増加し、血液がドロドロになります。
すると頭皮の毛細血管には血液が届きにくくなり、届いても非常に質の悪い血液なので毛母細胞や色素細胞に十分な栄養を与えられなくなってしまいます。
するとメラニン色素が作られなくなるため、髪に色がつかないまま生えてしまうのです。
肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、なかなか自覚症状が現われません。
しかし、白髪や脱毛の急な増加といった末端部分の変化がみられる場合、肝臓に何らかの障害が起きている可能性が高いのです。
【注意】日本酒や梅酒等の“糖分”は毛根にダメージを与える原因に
アルコール自体が毛髪にダメージを与えますが、その中に含まれる糖分はさらに髪に悪影響を及ぼします。
女性が好きな梅酒や果実酒といった製品には大量の糖分が入っていますし、焼酎も割るものによって糖分が跳ね上がります。
糖分が血液に入ると血糖値が上がり、それを下げるために膵臓からインスリンが大量に分泌されるのですが、飲酒が続くと膵臓が疲労しインスリンがだんだん分泌されなくなります。
すると糖が血管にこびりつき損傷するため、血液が糖でドロドロになった上に血行不良となるため、色素細胞や毛母細胞に十分な栄養が届かなくなるのです。
さらに、血中糖度が高くなると肝臓が糖分を中性脂肪に変換するため、脂肪がたっぷり入った血液が頭皮に回り、皮脂が過剰分泌されます。
これが炎症や湿疹を引き起こし、毛根部分にダメージを与えてしまい、白髪の原因となるのです。
「アルコール摂取→トイレが近くなる→白髪が増える」の原因は?
お酒には利尿作用があることが知られています。
これは、普段尿の排出をコントロールしている「抗利尿ホルモン」が、アルコールによって正常に働かなくなるからです。
すると体内の水分を排出してしまいますが、この水分は飲んでいるアルコールの水分ではありません。
アルコールは、摂取してから尿になるまでに6時間以上かかるといわれており、尿の水分は血液中の水分なのです。
その結果血液がドロドロになり頭皮に十分な栄養が届かなくなってしまい、色素細胞がメラニン色素を作れなくなるため、白髪の原因となります。
アルコールの過剰摂取は睡眠の質を悪くし、白髪を増やす原因に
寝る前にナイトキャップを一杯という人は多いのではないでしょうか。
確かに少量のアルコールは副交感神経を活発にするため、それによって分泌される睡眠ホルモンのメラトニンとリラックス効果によって、眠りにつきやすくなります。
ところが、過剰摂取するとアルコール分解によってアセトアルデヒドが発生します。
アセトアルデヒドには交感神経を刺激する働きがあるため、体が興奮状態になり眠りが浅くなってしまいます。
人間は睡眠中浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返すことで心身の疲れを取るようにできており、このサイクルが崩れると夜中に目を覚ましてしまったり、夢ばかり見て起きた時にもう疲れている、といったことになります。
また、前述のとおりアルコールには利尿作用があるため、大量摂取すると何度も尿意をもよおし、夜中に目が覚めてしまいます。
アルコールは髪質にも影響を及ぼします
白髪は増えていないけれど、どうも髪の毛がパサつくとか変なうねりが出てきたという場合も、アルコールが原因の可能性があります。
ナイアシンはビタミンBの一種で、アルコール分解酵素の働きを助ける作用があります。
さらに女性ホルモンの生成に関わり、髪の健康維持をサポートしている成分です。
そのため、ナイアシンがアルコールによって消費されると髪の毛に悪影響を及ぼし、パサつきやうねりの原因になってしまうのです。
アルコールを白髪の原因にさせないための対策
ここまでアルコールの害についてお話ししてきましたが、お酒好きには「アルコールを取って白髪を作るか、黒髪を取って断酒するか」という選択はかなりつらいことでしょう。
そこで、ここからはおすすめの対策をいくつかご紹介しましょう。
アルコールの適量は人によって違う。自分の適量を見極めて
対策を紹介する前に、もう一つお話ししなければならないことがあります。
それは、日本人は有害物質のアセトアルデヒドを分解する酵素が、世界で最も少ない人種だということです。
アセトアルデヒド分解酵素には、アセトアルデヒドが高濃度の時だけ働く「ALDH1」と、低濃度でも働く「ALDH2」があります。
ALDH2酵素がうまく働く「活性型」か、その16分の1しか働かない「低活性型」か、全く働かない「不活性型」かは遺伝子で決まっており、お酒が強いこととは全く関係がありませんし、活性力を強める方法もありません。
遺伝子型 | ALDH2のタイプ | 人種別出現率 | ||
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日本人 | 白人 | 黒人 | ||
NN | 活性型 | 56 % | 100 % | 100 % |
ND | 低活性型 | 40 % | 0 % | 0 % |
DD | 不活性 | 4 % | 0 % | 0 % |
この現象はモンゴロイド(黄色人種)の遺伝子が何らかの原因で突然変異を起こしたのではないかと考えられています。
同じモンゴロイドでもアメリカ先住民はND型・DD型は0~4%なのに対し日本人は44%と、モンゴロイドの中で最もアセトアルデヒドを無害化する酵素がないのです。
そのせいだけとは限りませんが、肝細胞がんはモンゴロイドが多いアジアで多く発症しており、日本は中国に次いで2番目にこのがんが多くなっています。
しかも、人口比率で見ると日本がトップです。
なぜこのようなショッキングなお話をしたかというと、よくいう「適量」が人によって違うからです。
厚生労働省のガイドラインが「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度」であることはお話ししましたが、これはあくまで「通常のアルコール代謝能を有する日本人」という前提での話。
つまり、ND型の人は20gの16分の1、DD型の人は一切飲んではいけない、ということになります。
お酒を飲んだ時に顔や体がすぐ赤くなる、心臓がドキドキする、眠くなるといったフラッシング反応が出る人は、自分に酵素が少ない、またはないことを自覚し、白髪を増やさないためにもこれから述べることを必ず守るようにして下さい。
水分不足は命の危険も。アルコール摂取時と摂取後はたっぷり水分補給を
よく「二日酔い防止には、飲酒後しっかり水分補給すること」といわれますが、それはアルコールの利尿作用によって脱水症状を起こしているからです。
しかし前述したように、排出された尿の水分は血中水分であり、アルコールではありません。
しかも、ビールは飲んだ量以上に尿として出てしまうことがわかっています。
そのため、血液がドロドロになり、血栓ができやすくなっている状態のため、そのままにしておくと血栓の場所によっては命を落とす危険性すらあります。
ですから、飲酒後の水分補給は非常に大切です。
対する「飲酒中の水分補給」は、主にアルコール摂取量を減らすための対策です。
水分とアルコールを交互に同量摂取すれば同じ時間内で摂取するアルコール量が減るため、身体にかかる負担が小さくなります。
もちろん、水分を摂ってもアルコール量がいつもと同じであれば、脱水症状はある程度防げるものの、アルコールの悪影響を避けることはできません。
なお、摂取する水分は、水かトマトジュース、果実ジュースなどが良いといわれています。
炭酸飲料はアルコールの吸収を早める作用があり、血中アルコール濃度が一気に高くなってしまいますので、飲酒中・飲酒後は炭酸飲料以外を摂取してください。
また、飲酒中・飲酒後どちらにも水分が大切なもう一つの理由は、アセトアルデヒドを分解するために水が必要になるからです。
「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸→二酸化炭素・水→排出」という過程には酵素の力が必要ですが、酵素は水がないと働かないのです。
アルコールは肝臓に入るとすぐ分解され始めますから、水分も早め早めに摂るようにしましょう。
頭皮、毛髪、身体の健康を保つには、充分な睡眠が不可欠
私たちの身体は、朝起きて、昼に活動し、夜は睡眠を取るというサイクルによって正常に、効率よく動くようにできています。
睡眠中は脳や身体を休めると同時に、成長ホルモンを大量に分泌させて細胞の新陳代謝を促し、筋肉や骨、内臓、皮膚などを修復したり成長させたりしています。
また人間の身体の2割はたんぱく質でできていますが、成長ホルモンにはたんぱく質の合成を促進する働きがあるため、身体や頭皮の健康維持のために大切な成分です。
毛髪もケラチンというたんぱく質が主成分なので、元気で丈夫な毛髪の成長には十分な成長ホルモンが必要なのです。
成長ホルモンは昼間でも少量出ているのですが、夜の入眠後3時間の間の熟睡中のみ大量に分泌されることがわかっています。
そのため、アルコールの飲み過ぎで睡眠が浅いと、何時間眠っても成長ホルモンが十分分泌されません。
すると、身体はもちろん頭皮や毛髪の細胞の生まれ変わりがうまく行かなくなってしまい、白髪や脱毛などの原因となるのです。
そこでおすすめしたい対策が、入浴です。
就寝の2時間ほど前に入浴すると、全身が温まる上に副交感神経の作用で心身がリラックスするので、自然な眠りへと導いてくれるのです。
その他、ヨガやストレッチで身体をほぐす、安眠を誘うカモミールやレモンバーム、ペパーミントなどのハーブティーやエッセンシャルオイルを使用する、といった対策も効果的です。
必須アミノ酸はバランスの良い食事で摂取できる
頭皮、毛髪、身体の健康にはたんぱく質が不可欠だとお話ししましたが、たんぱく質はアミノ酸で構成されています。
アミノ酸には体内で合成できる「非必須アミノ酸」11種類と、体内で合成できず食物から摂らなければならない「必須アミノ酸」9種類に分かれています。
必須アミノ酸9種類のうちどれか一つでも欠けると筋肉や血液、骨の合成ができなくなります。
また、9種類のうち最も量の少ないアミノ酸に合わせて活用されるため、9種類のうち1種類の量が少ないと、その1種類分の量しか働かないことが研究でわかっています。
この必須アミノ酸の全種類を比率化したものを「アミノ酸スコア」といい、アミノ酸スコア100といえば9種類のアミノ酸がすべて十分に含まれているということです。
アミノ酸スコア100の食品には肉類、魚貝類卵、乳製品、大豆類などがあります。
(以前は大豆類はスコア86だったのですが、1985年に測定方法が改定され、スコア100になりました)
もちろん、アミノ酸スコア100のものばかり摂っていると、それ以外の栄養素が不足してしまいますから、できるだけ多くの食品を摂取してバランスを取るようにしましょう。
特に、ビタミンとミネラルは食べたタンパク質をケラチンタンパク質に変化させるために不可欠です。
飲むアルコールの種類を見直すだけで、大幅な糖分カットが可能です
お酒の糖分が毛髪に良くないとお話ししましたが、種類を見直すことで糖分を大幅カットすることができます。
種類 | 糖分(酒100gあたり) |
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白酒 | 48.1g |
キュラソー | 26.4g |
梅酒 | 20.7g |
清酒 | 4.9~3.6g |
ビール | 4.9~3.1g |
発泡酒 | 3.6g |
ワイン(ロゼ) | 4.0g |
ワイン(白) | 2.0g |
ワイン(赤) | 1.5g |
ジン | 0.1g |
焼酎(甲類・乙類) | 0.0g |
ウイスキー | 0.0g |
ブランデー | 0.0g |
梅酒や果実酒の代わりに日本酒やビール、ビールの代わりにワインやウイスキー、ブランデーにするだけでぐっと糖分が減ります。
また、糖質ゼロのビールや酎ハイが販売されていますので、色々研究して自分のテイストに合ったものを見つけましょう。
おつまみをうまくチョイスして、アルコールから肝臓を守ろう
飲酒時にはおつまみにも気を配り、肝臓の機能を助けてあげましょう。
肝臓に良いといわれる栄養素には以下のものがあります。
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たんぱく質
アルコール分解酵素はたんぱく質から作られるため、アミノ酸スコア100のたんぱく質をおつまみにしましょう。
肉類、魚貝類、チーズ、納豆、枝豆、厚揚げ、冷ややっこなどがお勧めです。
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ビタミンB1
ビタミンB1はアルコールの代謝に必要な成分で、アルコール依存症の人にはビタミンB1が不足していることがわかっています。
ビタミンB1は水溶性で尿から排出されてしまうため、毎日意識して摂取しましょう。
豚肉、レバー、大豆、昆布、うなぎ、たらこ、玄米、胚芽米などに多く含まれているので、おつまみには豚肉の炒め物、締めにお味噌汁などが良いでしょう。
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タウリン
タウリンはアルコールを分解して無毒化する作用があります。
体内のメチオニンとシステインから合成されますが、不足すると肝臓の機能低下を招くため、食材でも摂るようにしましょう。
サザエ、牡蠣、ホタテなど貝類やいか、タコ、ブリ、カツオなどに多く含まれています。
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時には断酒して生活習慣を整えましょう
アルコールをたしなむことは、決して悪いことではありません。
しかし、女性の場合男性より肝臓が小さく、その分アルコールを分解できる量も少ないことが研究でわかっています。
そのため、アルコール性肝障害で死亡する率は女性のほうが高いのです。
さらに、男性と同じ量のアルコールを摂取した場合、脂肪量や血液量、筋肉量の差から、女性のほうが血中に溶け出すアルコール濃度が高いこともわかっています。
そのため、時には断酒して生活習慣を整えることも、白髪の予防改善に大切な対策です。
髪質が変化した、白髪や脱毛が増えたという場合、全身の機能が低下している可能性があります。
断酒は無理という人も、まずは休肝日を作ることをおすすめします。
アルコールの過剰摂取は白髪の原因になることがおわかりいただけたと思います。
しかし、このストレス社会にあって、ちょっぴりアルコールの助けが必要になることもありますよね。
また、純粋にお酒が好きだという女性も少なくありません。
適度のアルコールと肝臓に良いおつまみのセット、こまめな水分補給を心がけ、アルコールに飲まれないようにすれば大丈夫。
自分の適量を知って、楽しくいただきましょう!
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