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ノンジアミン系の白髪染めについて詳しく解説!

白髪染めについて色々調べていくと、どうやら二剤式白髪染めは良くないらしい、ということがわかってきます。
市販品なら安くて手軽で簡単、美容院ならムラなくとてもきれいに染めてくれますが、髪のダメージが段々ひどくなっていくのですから、心配になりますよね。

最近白髪染めの記事でよく目にするのが「ジアミン」「ノンジアミン」という言葉ですが、どんな意味で、製品にはどういったものがあるのでしょうか。

ジアミン、ノンジアミンの各白髪染めについてわかりやすく解説しましょう。

お勧めのノンジアミン系の白髪染めは何?やっぱりカラートリートメントが良いの?

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ジアミンて何?

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まずは、簡単に「ジアミン」についてご説明しましょう。

「ジアミン」とは二剤式ヘアカラーに使用される酸化染料の一種です。
酸化染料には大きく分けて「染料中間体」「直接染料」「カプラー」の3種類があります。
「染料中間体」は過酸化水素のような酸化させる成分に反応して発色し、「直接染料」は元から発色しており、「カプラー」は染料中間体と結合することで発色します。

それぞれの代表的な染料には以下のものがあります。

染料中間体

・パラフェニレンジアミン
・パラトルエンジアミン
・(硫酸)トルエン-2.5-ジアミン
・パラアミノフェノール
・パラメチルアミノフェノール

直接染料

・ニトロパラフェニレンジアミン
・パラニトロオルトフェニレンジアミン
・パラメトキシメタフェニレンジアミン

カプラー

・メタアミノフェノール
・5-アミノオルトクレゾール
・レゾルシン

「~ジアミン」「~フェノール」という名称が多いのがわかると思います。
これらはどれも化学構造が似ており、「ジアミン系」「フェノール系」、あるいは両方を併せて「ジアミン系」と表現されます。

「ジアミン」という表現をする時は、「ジアミン系」と同じ意味合いのこともあるのですが、通常は染料中間体のパラフェニレンジアミンのことを指します。

貴方は大丈夫?主なジアミンアレルギーの症状

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ジアミン系の中で特にパラフェニレンジアミンが注目されているのは、この染料がアレルギーを引き起こす危険性が高いからです。

1980年に厚生省(現厚生労働省)が告示した103種類の旧表示指定成分の一つで、数十年前にすでにパラフェニレンジアミンの皮膚トラブルは知られていました。
それどころか1912年(大正元年)には、パラフェニレンジアミンの有害性を緩和させる特許が出願されていたほどなのです。

それほど危険な染料がなぜ100年以上使用されているかといえば、パラフェニレンジアミンは黒褐色を生み出す染料で、日本人の髪色に最もマッチすることと、安価で製造できるため、代替品が開発されていないからといわれています。

そんなパラフェニレンジアミンのアレルギーにはどんなものがあるのでしょうか。
主な症状はこのようなものです。

・かゆみ
・発赤
・湿疹
・首や顔、まぶたなどの腫れ・むくみ
・全身の腫れやかぶれ、じんましん
・血圧低下
・呼吸困難、アナフィラキシーショック

二剤式ヘアカラーを塗っている時や放置している時に、かゆみや痛みを感じた経験を持つ人は少なくありません。

しかし、それだけならアレルギーとは限りません。
成分のアルカリ剤や過酸化水素は皮膚のタンパク質を変質させる作用があるため、誰でも頭皮に触れると刺激を感じることがあるからです。
これは洗剤による手荒れと同じ「刺激性接触皮膚炎」の可能性もあります。

しかし、毎回かゆみを感じ、それが段々強くなったりかぶれを起こしたりするようなら、アレルギーを発症している可能性が高くなります。
悪化すると頭皮だけでなく首や顔、手や腕など染料を洗い流す時に薬剤がついた部分がかぶれるようになります。

さらにはその反応が全身に広がったり、じんましん、血圧低下、呼吸困難といった症状が出たりすることもあり、最悪の場合はアナフィラキシーショックで死亡します。

症状が軽くてもジアミン系の白髪染めは厳禁

ジアミンに限らずアレルギーの怖いところは、ある日突然重い症状が出る場合があることです。
それまではちょっとしたかゆみで収まっていたとしても、体内では抗体がどんどんできているため、何らかのきっかけで免疫反応が一気に出てしまうのです。

このきっかけは人によって違いますが、体調不良や気候の変化、食生活や生活習慣の乱れ、ストレスなどがあるといわれています。

また、「アレルギーコップ説」というものがあります。
元々アレルギー体質を持った人が、環境汚染や食生活、生活習慣、ストレスなどがコップに貯まって行き、それが一杯になって溢れた時に発症するというものです。

アレルギー体質の日本人は3割とも7割ともいわれており、気づいていない人も多いと思われます。
そういった人が二剤式ヘアカラーを繰り返すことでコップが溢れ、ジアミンアレルギーを発症するのです。

一度ジアミンアレルギーを発症したのにそのまま使い続けると、突然症状が重くなることがあるので、絶対に使用しないことが大切です。

主なノンジアミン系の白髪染めはこの4種類

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ジアミンアレルギーを発症した人や既に何らかのアレルギーがある場合は、ノンジアミン系の白髪染めを使用しましょう。

主なノンジアミン系の白髪染めには以下の4つがあります。

1)お歯黒式白髪染め(非酸化染毛剤)

鉄イオンと多価フェノールの反応で髪を黒く染めるタイプで、脱色作用はありません。
最初に1剤を塗って15分ほど放置し、その後2剤を塗って揉み込み、さらに15分ほど放置してから洗い流します。
ノンジアミンですが二剤式ヘアカラーと同様医薬部外品なので、パッチテストが必要です。

2)カラートリートメント

ジアミン系染料ではなく、HC染料と塩基性染料を使用して、髪の少し内側と表面を着色するものです。
二剤式ヘアカラーと違いキューティクルを開くことなく染めるので、アルカリ剤は配合されていません。
また、脱色作用がないので過酸化水素も入っていません。
トリートメント成分が配合されており、髪の補修力があります。

3)ヘアマニキュア(酸性カラー)

市販品ではヘアマニキュア、美容院では酸性カラーと呼ばれるものです。
染料はタール色素で、カラートリートメントより髪のコーティング力が強く、2~3週間色持ちします。
やはりアルカリ剤や過酸化水素を含まないため、脱色作用はありません。

4)ヘナカラー

インドなどで栽培されているヘナという植物の葉で染めるものです。
オレンジ色の染料を含んでおり、これだけでは何度染めても黒くならないため、インディゴという植物から採った藍色の色素と合わせて使用して染めます。
トリートメント作用や頭皮環境改善効果もあります。

このほか、ヘアマニキュアやカラートリートメントの一種で光で染まる感光性染毛料や、カラースプレーやスティックなどの一時染毛料、少しずつ色が入っていくカラーシャンプーなどがあり、どれもノンジアミンです。

ノンジアミン系白髪染めのメリットとデメリット

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ノンジアミン系白髪染めは髪と頭皮に刺激を与えにくいという点で高いメリットがありますが、それぞれデメリットもあります。
一つずつ見ていきましょう。

1)お歯黒式白髪染め(非酸化染毛剤)

<メリット>

・酸化染料不使用なので、ジアミン系・フェノール系に対するアレルギーが起こらない
・アルカリ剤や過酸化水素不使用なので、皮膚への刺激が少ない
・二剤式白髪染めと同様、しっかり染まる
・一度染めれば1ヶ月程度色持ちする

<デメリット>

・1剤を塗って放置、その後2剤を塗って放置するので手間と時間がかかる
・脱色せず、かなり黒っぽく染まる
・最初のうちは青っぽく染まることがある
・硫黄や鉄のニオイがして、数日間残ることがある
・パーマがかかりにくくなる
・段々髪がぱさつく、又はゴワゴワしてくる

お歯黒式白髪染めの代表的なものが「マロン マインドカラー」で、ドラッグストアでよく見かけることから一定数の使用者がいることがわかります。
しかし、どんなカラーを選んでもかなり黒っぽく染まってしまう、パーマがかかりにくくなるなどのデメリットから、主に高齢者が使用しているようです。

ニオイについては、洗い流せばほとんど残らないという人と、数日残るという人に分かれており、髪質によるのかもしれません。

また、マロンの場合ですが、アレルギーを起こす可能性は低いものの、成分のほとんどが化学物質のため、それらに反応してかゆみが出る人もいるようです。
特に1剤に配合されている有効成分のサリチル酸は殺菌・抗菌効果がありますが、刺激も強い成分です。
そのため、必ずパッチテストを行なうようにしましょう。

2)カラートリートメント

<メリット>

・刺激の強い成分無添加でノンジアミンなので、頭皮にも髪にもやさしい
・シャンプー後の濡れた髪に使用でき、10~15分程度で済む
・染まり具合も色落ちも自然なので、白髪との境が出にくい
・染めるだけでなく、髪にハリやコシ、うるおいをプラスする成分も配合されている

<デメリット>

・髪質や製品にもよるが、数回の連続使用が必要なことが多い
・色持ちがあまり良くなく、長くても10日程度
・乾いた髪に使用したほうが良く染まるが、その場合は30分は放置し、保温も必要
・脱色作用がないため、黒髪を明るくすることは不可能

ジアミン系の二剤式白髪染めを使用してきた人にとっては、一度でしっかり染まらず、しかもシャンプーごとに色落ちして色持ちが良くないことが、一番のデメリットと感じるようです。

しかし、ジアミン系染毛剤で接触性皮膚炎やアレルギーを引き起こす人は増えています。
厚生労働省や各自治体などでも二剤式ヘアカラーの危険性に警鐘を鳴らしているほどですから、真剣に考える時期に来ているといえるのではないでしょうか。
ぜひ、以下の警告を一度読んでみてください。

・厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124268.html

・消費者安全調査委員会
http://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_008/pdf/8_houkoku.pdf

・独立行政法人 国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen237.html

・神奈川県医師会
http://www.kanagawa.med.or.jp/ibukai/gakkoui/osyareniyorusyougai.pdf#search=%27%E3%83%98%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC+%E5%8D%B1%E9%99%BA+%E7%9C%8C%27

カラートリートメントは最初のうちは染まりにくいものの、一度染まれば後は1週間に1~2回入浴中に使用すれば、ずっときれいな色をキープできます。
しかも使用するごとに髪が補修されていきますから、メリットのほうがはるかに大きいといえるでしょう。

3)ヘアマニキュア(酸性カラー)

<メリット>

・市販品はブラシ付きで、簡単に塗れる
・ノンジアミンで髪の表面をコーティングするだけなので、ダメージが少ない
・カラートリートメントに比べると色持ちが良い

<デメリット>

・頭皮につくと落ちにくいので、根元まで染められない
・生え際に白髪が多いとすぐに目立ってしまう
・脱色作用がないため、黒髪を明るくすることは不可能
・色素のコーティング力が強いため、カラーチェンジが難しい
・髪の補修効果はあまりない
・タール色素は安全性が高いとはいえない

カラートリートメントと同様脱色作用がなく、髪にダメージを与えにくくなっています。
ただ、タール色素とトリートメント成分は相性が悪いといわれ、成分が配合されていてもカラートリートメントほどの補修効果はありません。

また、日本のヘアマニキュアに配合されているタール色素の中には、発がん性や子供の行動障害などの危険性があるとされているものも含まれています。
頭皮につけないようにするのは、落ちにくいというだけではなく、こういった危険性を回避するためもあるのかもしれません。

4)ヘナカラー

<メリット>

・髪や頭皮が傷まない
・インドでは紀元前から使用されており、安全性が高い
・トリートメント効果が高く、髪のダメージにヘナが入り込んで補修してくれる
・毛穴の中の皮脂に吸着して奪い取るため、頭皮環境が改善する
・使用するごとに色落ちしなくなり、1ヶ月程度持つようになる

<デメリット>

・ヘナ100%だと、オレンジ色にしか染まらない
・染めるのに数時間かかり、最初は色落ちが激しい
・ダメージへアほど、最初の1ヶ月程度は髪がギシギシになる
・干し草の独特なニオイが数日残る
・髪を黒くするにはインディゴも必要だが、インディゴはマメ科のためアレルギーを引き起こすことがある

ヘナは髪の毛が隠れるほどべったり塗らなくてはならないこと、塗った後1~3時間は放置しなければならないことなどで、あまり使い勝手は良くありません。
しかし、白髪が少ないうちはウィービングのようになり、とてもオシャレに見えます。

また、アレルギーがない人ならインディゴの量の調節で、明るくも暗くも染めることができます。

ただ、ヘナは偽物や粗悪品が出回っています。
ヘナにジアミン系染毛料を混ぜたもの、見た目がヘナに似た植物や着色した砂と酸化染料を入れたものなどがあります。
これはインド国内でも広く販売されており、素人には見分けがつきません。

さらに、ヘナ染めを行なっている美容院の中には、施術時間短縮のために自分のところでパラフェニレンジアミンなどを混ぜている場合もあります。
ヘナ染めなのに30分程度で染まると宣伝しているお店は要注意です。

自分の目的や髪質に合う白髪染めを選びましょう

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髪と頭皮にダメージを与えにくく、かつ補修作用や頭皮環境改善効果が期待でき、手軽なものといえば、ノンジアミンのカラートリートメントが一番です。

しかし、接客業など毎日人に見られる仕事をしている人にとっては、白髪を完全に隠したいものです。
また、残業続きや育児などで入浴時間があまり取れない人にとっては、カラートリートメントを週1~3回行なうのは面倒ですし、放置時間の数分も惜しいかもしれません。
さらに、お風呂に鏡がないと、シャンプー後に顔の回りまで丁寧に塗ることはできませんよね。

また、髪質や頭皮環境によって同じ製品を使用してもダメージの出具合は違います。
髪の表面にはキューティクルがあり、うろこ状の層になっています。
層の枚数は2~7枚と人によって差があり、多い人ほど薬剤が浸透しにくくなるため、染まりにくくなるものの、ダメージも少なくて済みます。

また、脂性肌の場合、成分を弾いてしまうので髪の根元が染まりにくいのですが、薬剤が頭皮についても浸透しにくくなります。
そのため、ジアミン系染料を使用していてもアレルギーや接触性皮膚炎を起こしにくいということも考えられます。

これらのことから、現在使用している白髪染めで異常が出ていない場合、まずは現在使用している商品の説明書をしっかり読み、書かれている通りに使うようにしましょう。
塗布時間や放置時間を守るだけでも、刺激性皮膚炎が起こりにくくなります。

また、パッチテストのことが書かれていたら面倒でも必ず行ないましょう。
何らかの反応が出たり、染めた時にかゆみや炎症などの異常が何度か続いたりした場合は一旦使用を止め、皮膚科を受診してください。

ジアミンアレルギーは非常に怖いものですから、すぐにでもノンジアミンのカラートリートメントやヘアマニキュア、ヘナカラーなどに切り替えるのが一番安心です。

しかし、無理をして切り替えても長続きしません。
現在の自分のライフスタイルと髪の毛の状態を把握し、二剤式白髪染めの使用頻度を減らす、カラートリートメントなどと併用するなど、自分に合った方法を見つけましょう。

カラートリートメントって染まりにくい? 人気商品を比較

カラートリートメントは、髪や頭皮にやさしい染料を使いますが、この染料の粒度がとても重要で、粒度が荒すぎるとキューティクルの隙間に入れませんし、逆に細かすぎると髪の隙間に定着できずに流れ落ちてしまいます。最近では定着力や染まりを高めるための技術も上がってきており満足度の高い商品も増えています。

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